※2017/08/07更新 ライブレポート記事UP
4人の主張が上手に音に乗っていて、バンドとしての音がある。
CDを買うなんて、もうほとんどなく、ミスチルかスピッツ、三浦大知の新譜が出た時しか買う事はない。あとは配信である。発売日を待って、CDプレイヤーに入れて歌詞カードを見ながら音楽を聴くなんて、阿呆がやる事ではないかと思っている。アンプつないで、無圧縮音源に拘り音楽を聴くなんてやっぱり阿呆なのかとも思ったりもする。しかし、こういう聴き方もたまには良いモノだと思わせる。音楽の聴き方は色々あるが、自分が良いと思う聴き方で聴くのが一番良い。ちょっと良い環境を持っている人が他人に対して、クソイヤホン・クソ音響・ながら作業でよく満足出来るなとは思ってはいけない。音楽はなんだかんだ感じたモノ勝ちである。
今回の新曲「himawari」はエモーショナルさと憂いさがあり、「ヒカリノアトリエ」とは全く毛色の異なる曲。ポップな曲調と前向きな歌詞よりも憂いを帯びながらも力強い曲調で前向きな歌詞が個人的には好みであり、今作は抜群に心にヒットした。
一つのパッケージング作品として、ジャケット写真も好みで、LiveVerの選曲も良く、シークレットトラックも入っている。DVD裏面のギミックにはこんな事も出来るのかとワクワクする場面も。前作のヒカリノアトリエもそうだが、細かい仕掛けであったり、面白い事やるなぁと思う。Mr.ChildrenがあくまでCDを手に取った感動を味わって欲しいという気持ちが伝わってくる。
しかし、音楽をCDで買う時代はもう終わりと言っても良く、そういう人達はマニアと呼ばれるようになる。無料で音楽が聴ける時代であり、CD=特典な時代にCDを売る。私達は音楽を聴くというよりも、買ったという満足感・所有感を味わう為にCDを買っているような気もする。FLAC配信をもししたとしたら、CDはもう買わなくなるのだろうかとも思う。
初回限定DVDは「himawari」が出来るまでをドキュメンタリーとして映像に残している。桜井氏はMr.Childrenとして、Bank Bandとして、ウカスカジーとしても活動しているが、やっぱりMr.Children名義で活動した楽曲を聴く事が多い。今回も4人の主張が上手に音に乗っていて、ピアノ主張が強かった時期とは違い、バンドとしての音がある。セルフプロデュースではない「himawari」ならここまでの猛々しさは表現しなかったのではと思う。裏方の作業であったり、制作される音づくりの現場を映像で見ると大変さがよく分かり、やりたい事やってます!という感じがドキュメンタリー&曲で伝わってくる。
振替公演5月10日の「君がいた夏」の映像化はたまらなく良く、参戦した人が羨ましい。
あぁ早くライブに行きたいが8月6日はまだ遠い。
※追記 2017/07/30
発売日当日に感想書きましたが、反響もあり追記。
1.himawari
「君の膵臓を食べたい」を見て書き下ろしをした「himawari」。原作を見て上手くに音楽に乗せたメロディと歌詞。
相手を見てどうしようもできない衝動と想いがロックに表現され、歌詞を見て分かるように純粋に物語の主人公が相手を想う気持ちが音になっている。
原作・映画を軽々越える位の濃密な楽曲だと個人的には感じ、世界観が十分に伝わって来る。曲入りの言葉選びは普通思いつかないフレーズ。
「ダメな映画を盛り上げるために簡単に命が捨てられていく」訳ですが、このタイアップを受け「himawari」が出来たのはなんだか皮肉にも感じてしまうところ。
2.メインストリートに行こう (Hall Tour 2017 ヒカリノアトリエ)
チャラン・ポ・ランタン「小春」氏をサポートメンバーに入れ、アットホームな雰囲気とホール公演という環境の中で行われ、もう二度と披露しないのではないかと思わせる曲。生で聞けた人が羨ましい。アルバム「Versus」からの名曲。
5.終わりなき旅 ( 2017.4.23 YOKOHAMA )
ONE OK ROCKのライブにスペシャルゲストとして出演した時の音源。このオファーがロックバンドとしてのMr.Childrenを再起させる。
Mr.Childrenが勢いのあるのONE OK ROCKに熱量では負けていない事を示した。死ぬ程盛り上がったんだろうなこの会場は。と思わせるライブ音源。
6.忙しい僕ら
新曲からライブ音源を挟み、忙しい僕ら。終わりなき旅を決意したMr.Childrenはシングル最後にこの楽曲を選ぶ。色々考察が出来て面白い。
シングルの流れで見ると、ストーリーが見出せる。1曲単位で購入する配信には出来ない面白さ。
8.ファスナーLIVEVer.
スガシカオ氏開催のスガフェスの音源。無音を挟み、シークレットトラックとして入っているので完全なるおまけ。昔のカップリングでいう遊びの部分。忙しい僕らからの完全なる息抜きのエロソング。直接的な描写はないが、いつ聞いても秀逸な歌詞。桜井氏、スガ氏が歌うから良く、楽しそうな雰囲気が伝わってくる。間違っても気になる異性がいる時にカラオケで歌ってはならない。僕らはウルトラマンでもなければ、仮面ライダーでもなく、ただの「Mr.」か「Children」である。
最後に
最近はこうして考察しながら、音楽を聴く事はほぼない。Mr.Childrenがどのような意図を考え、このトラック順にしたのかは分からないし、歌詞の意味も違うかもしれない。正解は彼らしか知らない。
しかし、こんなに人気があるのは楽曲の裏側に潜む何かが、私達の琴線に触れているという事だけは間違いない。