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あゝ、荒野【レビュー・感想】

あゝ、荒野 予告編

製品版(R-18)、メイキング含めの感想。

 

「菅田将暉」、「ヤン・イクチュン」の演技。周りを囲む俳優人。W主演の二人に目に行くが、裕二役「山田裕貴」のこの映画に賭けた熱量は凄みを感じた。メイキングでの当人による役を演じながらも自身から湧き上がる感情の表現を監督に伝え、実際に採用されるシーンは若手俳優の勢い・覇気を感じた。

 

フィクションの合間に垣間見る、俳優達のリアルに驚きを隠せない。ボクシングシーンは顔を強張る程にリアル。

 

映画本編は新次VS裕二戦がピークのように思えた。殺したい程の感情を剥き出しにしたシーンはラストバトルより見る者を映像に引き込ませた。決してラストバトルが悪い訳ではなく、「アニキ」と慕ったバリカンに向ける憎しみの対象がどうしても弱いものになっているからである。違和感がありつつ終わってしまった本編にリアルからフィクションに。あぁこれは都合の良い映画なんだなと。良い意味で現実に引き戻された。それだけ終盤に辿り着くまでのストーリーは物凄く嫌になるほど「リアル」だったのだ。

 

臨場感あるボクシングシーンもボクシング指導の松浦氏がいなければ、この作品は全く違ったものになっていたと言っても過言ではない。陰の立役者である。下手したら迫力のないボクシングシーンになっていたかもしれない。映像表現で賄いきれない部分を肉体改造で肉付けしている。メイキングを見て分かるが菅田将暉氏のストイックさには恐怖すら覚える。ちなみに映画「百年の恋」の安藤サクラ氏も松浦氏の指導を受けている。

 

前編で触れた物語の伏線が回収できていないので、そこを補完して見なければならない。5時間以上の大作だが、メッセージ性がありすぎて、描ききれていない部分が残った。設定や細かい事を気にすると綻びが出てくるが、それでも名作には間違いない。

 

大都会という名の荒野を舞台にした作品。

 

映画で伝えたい事は一体なんだったのか。菅田将暉がカッコイイ?ボクシングシーンを見て己を奮い立たせろ?今野杏南の乳が綺麗?オリンピック後の未来は悲惨だ?結局何かを感じ取れということなんだろう。

 

面白いだけでは終わらない、考えされられる名作「あゝ、荒野」。

 

こういうメンタルに針を指すような映画は「一部」しかウケないんだろうなと思うと残念である。菅田将暉氏の採用で「菅田君、出てるから見よう!」と思うティーン層がこの映画を見て何を感じ取るかが気になる所。

あゝ、荒野 (特装版) Blu-ray BOX

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